【知らなくて死にかけた】斧と鉞の命に関わる使い方の違い

ナイフ・斧

皆さん、こんにちは。亀ちゃんです。

突然なんですけど、斧を使ってて死にかけました

正確には刃の部分が飛んで行きそうになったんですけど…ほんとヒヤッとしました。飛んで行ったヘッドが誰かに直撃したら、もしかしたら死ぬかもしれないですよね。

で、皆さんは斧使ってますか?

薪割りするならバトニングナイフより斧の方が楽に割れますよね。僕も『価値観が変わるギア』という動画で斧で薪割るのサイコーって言ってたんですけど。

これ、実は『斧』じゃなかったんですよ(笑)

ホームセンターで『うわっめっちゃ安くてカッコイイ斧あるやん!』と思って、たしか2000円くらいで買ったんですけど、それが斧(おの)じゃなくて鉞(まさかり)だったんです。

道具としては『おの』に分別されるんですけど、分類的には『まさかり』だったんです。で、よく見たらちゃんと『鉞』と書いてあるんですね。

皆さん、『だから?』って思ったでしょ?

絶対思ったと思うんですけど、何を言いたいかと言うと、『斧』じゃないってことは『斧とは用途が違う』ってことですよね。

僕らキャンパーが思い浮かべる『斧』の使い方と言えば薪を割る道具ですよね。大きさにもよりますが振り被って薪の中心を狙って割るような、そんな使い方だと思います。

でも、『鉞』について調べると、そういう使う方には向いてないってことが分かりました。

で、一番気を付けたいなと思ったのは『斧』と『鉞』ってめっちゃ似てるので斧買おうと思ってたのに鉞を買っちゃうことがあるってことです。

ぶっちゃけ鉞でも薪は割れるんです。割ったらダメなわけでも無いです。ダメじゃないんですけど、違いを知って使うのと、使わないのとでは、僕みたいにヘッドだけが飛んで行きかねないので、皆さんにも共有したいなと思ってこの記事を書いています。

斧と鉞の違い

最初に、斧と鉞の違いを説明しておきます。すっごい簡単に見分けられるので覚えておいて損は無いです。

まずは僕が使ってた鉞から見て行きましょう。

こんな感じで刃の部分が長くて、グッと細くくびれて、柄に差し込む部分(ヒツ)になってます。ガンダムで言うザクの『ヒートホーク』みたいな形です。

僕がどうして鉞を買ってしまったのか?

一番の理由は僕はガンダムが大好きなので、この鉞を見て『うおぉカッケ――!!ザクやん!!』と思って一目ぼれして買ったんですよ。そこが間違いの始まりだった。たぶんガンダム世代の人は斧と鉞の2つが並んでたら絶対に鉞を買っちゃうんじゃないかと思うくらいオッサンホイホイだと思います。

で、この鉞はホームセンターで安く買えました。2~3000円くらいで。安いしカッコイイし、尚更買っちゃいますよね。

そして更なる落とし穴は、鉞が『手斧』として売られていることがあります。ホームセンターだけでなくAmazonでも売ってます。売ってるんですが形状的には『鉞』です。

ただ、鉞も『おの』の一種なので表記は間違っては無いんですけど買う時は気を付けて欲しいです。

続いて斧を見てみましょう。僕まだ持ってないのでハスクバーナの画像を引用しますけど。

鉞と比べて刃が短くてくびれが無いんですよね。ヘッド全体が刃物になってて、そのまま柄に差し込む部分(ヒツ)になってます。

皮肉なことに、金太郎が担いでる『鉞』こそが『斧』で、ガンダムのザクが持ってる『斧』は『鉞』なんです。

これ滅茶苦茶なトラップですよね。日本を代表する童話とアニメの2つが斧と鉞をごっちゃにしてる。これが諸悪の根源です。(どちらも斧、鉞というより戦斧っぽいけど)

なぜ鉞で薪を割ると危ないのか?

では、なぜ鉞で薪を割ると危ないのか?

語弊が無いように最初に断っておくと、『鉞で薪を割っちゃダメ』と言いたいわけではないです。後で斧と鉞の用途を説明しますけど、知らずに使ってると危ないよってことなので、ご理解いただけたらと思います。

刃が長いので強い力で打ち損じると柄へのダメージ大

なぜ危ないのか?ですが、皆さん斧で薪を割るイメージってどんなですか?

恐らく斧を振り上げて、薪の中心目掛けて振り下ろすイメージを抱く人が多いと思うんです。『これで太い薪も一撃だぜ!』みたいに。確かに割れると気持ちいいし、やってみたくなるんですけども。

で、斧で薪を割る時に難しいのは、『弧を描くように振る』のではなく『真下に下ろす』ように振ります。

でも、これ慣れてないとなかなか難しくて、初心者だと斜めに打ち込んじゃう事が多いです。

そして、斜めに打ち込んだ時に『斧』と『鉞』だとヘッドへのダメージが全然違ってて、鉞の場合ヘッドが抜けちゃう恐れが出てきます。

それぞれ見てみましょう。

これ見ると一目瞭然ですが、鉞をは刃が長いので斜めに打ち込んでしまうと、梃の原理でヒツにとんでも無いダメージを与えるんですよ。対して斧は刃が短いので斜めに入ってもヘッドが抜ける力は鉞ほど大きくありません。

特に薪割に慣れていないと、刃が長い分正確に振り下ろせなくて端っこに当たったりします。それ繰り返してるとヒツがグラグラになってヘッドが取れそうになります。

薪を寝かせて叩くのも同じ

あとは、大きな薪が割れた後に、薪を寝かせてカンカン叩く割り方もあるんですけど、これも鉞にはちょっと向いてないです。

形状見たら分かるんですけど、刃が長いのでどうしても薪に当たるの刃の下端になるんですよね。この状態でカンカン叩くと…

これも梃の原理でヘッドを外そうとしてるのと同じです…

対する斧はピッタリ薪に刃が当たるので寝かしてカンカンしてもヘッドが抜けるような力が掛かり難いです。

と言う事で、振り下ろして薪を割る場合も、寝かせて薪を割る場合も、どちらも『鉞』にはあまり向いてない使い方ってことになります。

鉞って何に使う道具なの?

はい、となると『鉞』って何に使う物なのか分からなくなりますよね。

薪を叩き割るのも苦手、寝かせてカンカンやるのも向いてない。

何のために作られたんだお前は!?

と僕もコイツに問いました。

で、色々調べて見たら大工道具とか林業の世界に辿り着きました。

製材に使う

鉞の代表的な使い方は、大工道具ですね。

丸太の表面をはつるのに使うのが鉞だそうです。木材を縦に割るんじゃなくて、側面を『削ぎ落とす』ってことですね。なので刃の短い斧よりも刃が長くなっている鉞が向いてるみたいですね。

現在では製材も機械でやっちゃうので鉞を使う機会は減ったそうですが、手加工の風合いを出すために敢えて使うことがあるそうです。

枝払い、枝打ち、細木割り

鉞の最も多い使われ方は、木の枝を落としたり、細い木を割るのに使うそうです。

藪が生い茂る中をかき分けて進む藪漕ぎじゃないですよ。あっちは鉈が向いてます。

鉞は伐採した小さい木の枝を落としたり(枝払い)、木の成長過程で育ちの悪い枝を除去したり(枝打ち)、あとは細い木であれば斧じゃなくても鉞で割ることが出来ます。

『鉞』は削ぎ落とすための道具

ということで、斧と鉞、何が一番違うのか?

一言で纏めると、鉞は『削ぎ落とす』ための道具と言えそうです。

一振りではつったり、小さな枝を落としたり、細い木を割るみたいな、『振り抜ける』動作には向いてるんですけど、硬い木に打ち込んで食い込ませたり、木を倒す、割るために何度も打ち込んだりする動作は構造上苦手と言わざるを得ません。

もし薪割に鉞を使うなら、針葉樹の細くて柔い木を割るなら良いんですけど、広葉樹の節が多くて硬い太い木に振りかぶって打ち込むのには出来れば避けた方が良いのかなと思います。

亀ちゃんの外あそび

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『こんな田舎出て行ってやる』と一度は富山を出たものの、その魅力を再認識しUターン移住した管理人が、富山のアウトドアライフに関する知識や情報を発信しているブログです。

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