【発がん性あり】缶詰やビール缶を直火で調理すると有害で危険らしい

マナー・法律

皆さんこんにちは、亀ちゃんです。

すっかり寒くなってきて焚き火、ストーブのシーズンを迎えようとしていますが、今回の動画では『缶詰を直火調理すると健康を害するかもしれないよ』というお話をしていこうと思います。

缶詰と言えば温めるだけでクッカーを使わず美味しく食べられる便利さと、何より焚き火やバーナーで温めている様が『キャンプ上級者』っぽくて無骨なキャンプ飯のひとつですよね。

でも、缶詰の直火調理はメーカー、研究機関など各方面で『自粛するように』と注意喚起されている行為だったのです。しかもその理由が『発がん性、内分泌かく乱作用などの健康被害が報告されている』ということで全くもって穏やかでないのです。

僕も恥ずかしながら、全く知らなくて『うわマジかよ…』と思ったんですけど、いい機会なので色々と深堀して調べて見ました。

なのでこの記事では

この記事を読むと分かる事
・缶詰を直火調理すると何が危ないのか?
缶詰を空焚きするとどうなるのか?
危ないのは缶詰だけなのか?
・安全に温めるにはどうしたらいいのか?

上記の内容を分かりやすく解説して行きます。

缶詰を直火調理すると何が危ないのか?

まず最初に、『缶詰を直火調理すると何が危ないのか?』を説明していきます。

僕も初めて知ったので、もしかしたらまだ知らない方がいらっしゃるんじゃないかなぁと思います。

あるTweetとネットニュースを見たのがきっかけです。

これは三幸貿易株式会社公式Twitterアカウントのツイートなんですけど(概要欄にリンク貼っておきます。)

キャンプ関連の記事や動画で缶詰を直火調理を紹介してるけど、缶詰が高温(120度以上)になると缶の金属腐食を防ぐための樹脂コーティングが溶けだす恐れがあります。そして、その樹脂コーティングの主成分であるBPA(ビスフェノールA)には発がん性や様々な健康被害が報告されている物質です。

とあり、それがネットニュースにまで取り上げられて話題になっていました。(概要欄)

参考:キャンプで楽だし上級者に見える缶詰の直火調理「有害物質が溶け出す危険性」との注意喚起に「全く知らなかった」の声続出(Yahooニュース)

BPAって何?

BPAって何なのか?正式名称は『ビスフェノールA』です。

ツイートの内容のとおり、プラスチックの食品包材、缶詰や飲料缶のコーティングに使われる樹脂原料のことで、日本缶詰びん詰レトルト食品協会のHPでは『環境ホルモンとしての疑いがある物質』と記載があります。

『疑いがある』という言い回しなのは、ヒトに対してどう作用するのか未だによく分かってない物質だからだそうです。

ただ、動物を用いての毒性、発がん性、遺伝毒性などの試験では有害であると報告されている物質なので、2000年頃くらいからヒトにも有害なのでは?と話題になってきたみたいです。

恥ずかしながら僕は全く知りませんでした。

どこの缶詰メーカーが危ないの?

そんな危険そうなBPAをなぜ使うのか?使ってる業者けしからん!

『BPAを構わず使ってる缶詰メーカーは何処なんだ!?』『BPAフリーの缶詰メーカーは?』

と思ったんですけど、完全にBPAを使わなくするのは難しいみたいですね。

国内外で積極的な『低減(不使用ではない)』の動きはあるらしいんですけど、BPAはプラスチックのポリカーボネイトやエポキシ樹脂の原料なので、容器とかコーティング剤において『一切使わない』のはなかなか難しいそうです。

じゃあ今どうしてるのかと言うと?

動物実験の結果から『人には毒性が現れないと考えられる量』を算出して、そこから色々な安全基準を決めて、基準以下ならOKという体制みたいです。(詳細は厚生労働省のHPに載ってます。概要欄記載)

参考:ビスフェノールAについてのQ&A(厚生労働省)
参考:ビスフェノールAがヒトの健康に与える影響について(厚生労働省)

なので、どこの缶詰メーカーが危ないとか、安全とか言う問題ではなくて、そもそも『缶詰の直火調理は推奨されない』と考えた方が良さそうです。

想定外の過熱をしなければBPAは溶け出さない

直火自粛に関しては日本缶詰びん詰レトルト食品協会からも声明が出ています。

直火で温めるなどしない限りBPAは溶け出さないように設計されているみたいです。

缶詰の内面は、中の食品を保護する目的で金属に塗料やフィルムなどの有機膜で被覆されております。この有機膜は、缶詰の加熱殺菌(一般的に110~120℃で30~90分)中に金属からの脱離や、有害な物質が食品中に溶け出さないように設計されておりますが、直火のような極めて高温で加熱された場合、有機膜からの分解物や溶出物に対する有害性については、容器製造企業として保証することはできません。

参考:缶詰の直火かけ自粛のお願い(公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会)

そして補足をしておくと有害物質が『溶け出さない』とされているものの、設計自体が『密閉容器として保存・流通』を目的としたものなので、バーナーやコンロなどで直接『加熱』すること自体が想定されていません。

金属缶は密閉容器として、保存・流通を目的として設計されており、調理用バーナーや炭火、コンロなどで直接加熱することは想定していない

参考:缶詰を直火で温めても良いですか?(公益社団法人日本缶詰びん詰めレトルト食品協会)

実際に缶詰を空焚きするとどうなるの?

缶詰にコーティングがあると聞いてもピンと来ない人も多いと思うので、缶詰を観察してみましょう。

コーティングってどれ?

これは某有名缶詰カレーの空き缶です。

(写真挿入)

内側をよく観察してみると、何か透明な幕があるのが分かります。明らかに金属の地肌ではないので直ぐに分かると思います。

念を押して断っておきますが、『コーティングされてる事が悪い』のではなく、直火で熱するような缶詰の想定外の調理をすると、溶けだす恐れがあるということです。

空焚きるすとどうなる?

で、実際に高温になるとどうなるのか?

実際に空焚きしてみようと思います。

(動画挿入)

内容物が無いので、熱して1~2分で早々に煙が上がり、5分後にはコーティングが黒くなって焼け落ちたのが分かります。

冷えてから観察してみると、熱する前の綺麗だった光沢が無くなり、金属の肌が酸化して露出したのが分かりますよね。

中身があれば100℃以上にならなくね?

焼き切る実験をやってて自分でも思ったんですが

別に中に具材が入っていればコーティングが焼け落ちることなんてなくね?』と疑問を抱いたんです。

例えば旅館などで出てくる『紙の鍋』ってありますよね。

普通なら紙は火に当たる燃えるけど中の水は100℃を超えないので紙の鍋が燃えず沸騰するってやつですけど、あれって旅館のような室内環境で、真下からしか炎が当たらないからで、水に触れてない上の縁にライターで火を近づけると普通に燃えますよね。

缶詰でも同じじゃないかなぁと思うんです。

例えば『焚き火』は真下からしか炎が当たらないわけじゃないですよね。風に煽られて炎が大きくなったりすると、真横からとか全周囲から炎が当たったりするわけですよね。

開けたばかりならまだしも具材が減って煮詰まっていくともしかしたら側面のコーティングが焼け落ちてしまう、溶けだしてしまう危険性はゼロでは無いと思います。

あの『映えキャンプ飯』も注意が必要

今回紹介したニュースは『缶詰の直火調理』だったんですけど、直火の高温により有害物質が溶けだすリスクがあるのは缶詰だけではありません。

全く同じ理由でキャンプで人気のあの映え料理の『ビア缶チキン』も有毒物質に関する注意喚起がされています。

『ビア缶チキン』は写真のようなチキンロースターで調理されれば良いんですけど、よくキャンプ用レシピなんかでビール缶をそのままチキンに挿して調理する例が紹介されてることがあるんですが…

缶詰と同じ成分なのかは分かんないんですけど、ビール缶にも内側にはコーティング剤が塗布されていて、更には外側にも印刷が施されているので直火で熱されると有害な物質が放出される、溶け出す恐れがあるそうです。

実はこれ、ドイツのリスク評価研究所(BfR)や日本の内閣府・食品安全委員会によってキャンプブーム到来の何年も前から注意喚起されていることが分かりました。

参考:ドイツ連邦リスク評価研究所、ビール缶で鶏肉を焼く目的で使用することに対して注意喚起(内閣府)
参考:BfR advises against beer can chicken

それにビア缶チキンは下手するとビールが無くなって空焚きになる事があるかもしれないので、真っ黒こげになった缶詰見るだけでも『ちょっとやだなー』『体に悪そうだな―』と思っちゃいますね。

僕も全く知らなかっただけに、自分だけじゃなく誰かとキャンプする時とか料理を振舞う時も気を付けたいなぁ思いました。

安全に調理するにはどうしたら良いの?

では、キャンプではどのようにして缶詰を温めれば安全なのか?解説していきます。

①別容器に移して温める

まず1つ目は『別の容器に移して温める』です。

特にビア缶チキンを作るのであれば、ちゃんとしたチキンロースターにビールを注いで調理した方が健康には良さそうです。

一方の缶詰は、『クッカーに移して直火で温める』ことになるですけど、それやっちゃうとクッカーが汚れるので本末転倒ですよね。

②蓋を開けて湯せん

と言う事で、もう一つは『湯せん』です。

クッカーに水を張って、蓋を開けた缶詰を置いて火に掛ければ湯せんで中身が温まります。

ただ、沸騰すると缶詰に水がバチャバチャ掛かるのでそれが嫌な場合は、お湯が沸いたら火を止めて、その中に缶詰を入れておくだけでも十分温まるそうです。

でも『これじゃない感』がありますよね。『缶詰湯せんかぁ…』みたいな、なんか無骨じゃないといか(分かんないですけど)

③間接的に温める

ということでキャンプっぽくカッコよく温めたいのであれば

あとカレー缶なら戦闘飯盒とかスノピのパーソナルクッカーを使えばご飯の上に開けて蒸気でレンジアップみたいな方法も安全じゃないかなぁと思います。

無味無臭、謎の物質だから怖い

今回は『缶詰の直火調理は危険』という話をしてきました。

BPAは、『無味無臭』で環境ホルモンとしても『疑いがある』ってことでぶっちゃけよく分からない物質です。

ただ、動物実験で発がん性とか、前立腺にも悪影響を及ぼすことが報告されているのは確かであり、『人間にも害がありそう』で『削減の流れがある』と聞いたら…?

僕は無骨なキャンプに見えても缶詰の直火調理は「もうやりたくないなぁ」と思いました。

色んな参考記事、出典のリンクを概要欄に記載しておきますので、皆さんもぜひ読んでみてください。

亀ちゃんの外あそび

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『こんな田舎出て行ってやる』と一度は富山を出たものの、その魅力を再認識しUターン移住した管理人が、富山のアウトドアライフに関する知識や情報を発信しているブログです。

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