皆さんこんにちは、亀ちゃんです。
今年から冬キャンプに挑戦したいという方、いらっしゃると思うんですが、僕も初めての冬キャンプ特に『雪中キャンプ』ではグリーンシーズンに想像もしなかったような落とし穴があったりして、色々苦労した記憶があります。
なのでこの記事では道具よりもどちらかと言うと『冬キャンプならでは環境』の方にスポットを当てて、覚えておいて欲しい注意点、アドバイスを紹介していこうと思います。
実際のキャンプの流れに沿って、キャンプ場に向かう所から撤収・帰宅までの各段階の中で解説していきます。
ちなみに、僕はソロキャンパーでロースタイルメインです。冬は富山県、岐阜県を中心にだいたいマイナス5℃~10℃くらいの中で雪中キャンプをしています。似たような方の参考になれば嬉しいです。
①『営業中=除雪完璧』ではない
まず最初にお伝えしたいのは『営業している=除雪されている』ではないと言う事です。
雪中キャンプの話なので雪国限定になるかもしれないんですが、営業しているからと言ってキャンプ場全体の除雪をしているとは限りません。富山県、岐阜県に限った話かもしれませんが、除雪されてるのは一般道から管理棟まで道とか、管理棟からサイトの入口までしか除雪されてないキャンプ場が多いような気がします。
つまり、『サイトまでは頑張って辿り着いてね。除雪も自分でやってね。』な所が多いと思います。全部除雪されていると思ってキャンプ場に行ったら出鼻を挫かれます。
スタッドレスタイヤ、チェーン、除雪用具必須
なので、スタッドレスタイヤ、除雪用具は必ず持って行きましょう。
そもそも冬用タイヤじゃないと高速道路で交通規制掛かってたりしますよね。富山とか岐阜県みたいな山奥の高速で下道に下ろされたら悲惨な目に遭いますよ。
あと、雪掻きはするもんだと思ってスコップも持って行きましょう。
ティピーテントみたいなポールを立てて設営するテントだと床面の水平がある程度取れていないと上手く立ち上がらない、少しでも雪が邪魔になった場合は雪掻きしないといけないです。
汗だくになって体が冷えます
厚着で設営すると汗だくになります。
テント設営もなかなかの重労働なんですけど、それに加えて雪掻きもなんかした日にはもう汗だくです。
で、その後汗が引いて、身体が覚めて、凍えるまでがワンセットになっているので気を付けたいところです。
重ね着だいじ
・設営・雪掻き中は上着を脱ぐ
・汗を拭く、汗が引いたら重ね着する
→良い感じに体が温まった状態でキャンプを始められる
②ガス缶が頼りなくなる
OD缶、CB缶に限らず、ガスの火力が頼りなくなります。火は点くんだけどグリーンシーズンのようにお湯を沸かそうと思っても『いつまで経ってもお湯が沸かない』みたいな事が起きます。(内容のガスが冷えすぎて気化しにくくなるドロップダウン現象)
僕はプリムスのウルトラバーナーを使っているので、プリムスのガスカートリッジ(以下、ガス缶)の話をしますが
ガスの種類と適した外気温
ノーマルガス:10℃以上、標高2000m以下
パワーガス:オールシーズン(10℃以下)
参考:好日山荘『ガス缶にまつわる話』
参考:CAMP HACK
ノーマルガスだと10℃を下回ると本当に頼りなくなります。カップラーメンを食べるためのお湯すらなかなか沸かない。
なので冬キャンプをするならオールシーズン用のガスを使った方が良い。
いかんせんパワーガスはノーマルより3割くらい高い。氷点下まではいかないけど、5℃とか、8℃とか微妙な温度でキャンプする場合もある。登山する訳じゃないから、鍋作ったりお湯沸かす程度なら何とかノーマルで使えんかなと思ったりする。
ガス缶を外気に晒さない
夏場だったらバーナーを卓上に置きっぱなしにするけど、冬だとあっと言う間に外気で冷えてしまうのでガス缶に保温カバーをした上で、使う時以外は外に出さないようにしてます。使った後はギアボックスとか、外気で冷えない所に仕舞ってます。
僕はYouTubeの撮影もあるので、冷気に弱いカメラバッテリーを常温に保つための保温バッグにガス缶を入れたりもしてます。
ちなみにヒートパネル付きカセットフーはボンベを適度に温めてくれるので冬に鍋を作る時なんかに便利です。
③炊事場事情が激変する
キャンプ場に無くてはならない『炊事場』も冬キャンプでは事情が変わる場合があります。
大事な大事な水の確保にも繋がるので事前にチェックしておいて欲しいです。
水が出ないかも
キャンプ場にもよるけど、冬季は『凍結防止』のために水が出る炊事場を制限してる場合がある。
キャンプ場のどこからも水が出ないってことは考えにくいけど、『炊事場に近い所を予約した!』と思ってたら冬季はその炊事場が閉鎖してた…みたいなことは十分あり得る。
事前に利用するキャンプ場に問い合わせておくと良いです。
めっちゃ水が冷たい
言わずもがな、冬の山奥のキャンプ場は出てくる水が滅茶苦茶冷たいです。温水使用できれば良いけど、高規格でもない限り温水は期待しない方が良いかも。
キンキンに冷えた水で洗い物をすると冷たいと言うより痛くなります。で、その冷えた手を暖めるのも大変みたいな(笑)
洗い物をする時は防寒・防水手袋があると凄く便利です。
洗い物だけでなく、雪中で設営する時にも活躍してくれるので是非揃えておきたい道具のひとつです。
炊事場に行くのが面倒くさい
ただ、雪中になるとテントから離れるのが嫌になるので、炊事場に行くのも面倒くさくなります。
僕は炊事場に行くことを諦めて、洗い物はウェットティッシュで拭き上げて、家に帰ってから洗うようになりました。これが楽すぎて…冬だけでなくオールシーズンで炊事場で洗い物をすることが減りました。
④『焚き火』では暖をとれない
実は、冬の焚き火ってあまり暖かくないんです。
『冬こそ焚き火で温まろう』と僕もそんなイメージでしたけど、暖を取る方法としては貧弱と言わざるを得ないです。もちろん、めっちゃ近付けば手のひらとか身体の正面は暖まるけど、背中は寒いし風は冷たいし、身体全体が温まるほどの暖はとれないと思ってた方が良いです。
金属製の焚き火リフレクターがあるとかなり違いますけど
それでもキャンプなんて設営終われば後は『じっとしてる』だけなので、暖が取れなければ身体がどんどん冷えて行きます。キャンプし始めた時は寒く無かったけど、夜が更けてから身体が冷えてくることが良くあります。
そんな時のために、重ね着出来る防寒着を多めに持って行くのも大切だし、体温以外の熱源、カイロ、電熱ベストを用意おけば心強いかなと思います。
首回りも暖かい物がおすすめ。強弱気を付ければ1泊2日行けます。
『壊れた時の事』を考えておこう
暖を取る方法については『石油ストーブ、薪ストーブも買ったから大丈夫だよ!』って方もいらっしゃると思うけど、個人的にはそれらの道具が『故障を含めて』使えなくなったとしても寒さに耐えられるだけの装備をバックアップとして持っておくべきかなと考えています。
もちろん、さっき紹介した電熱ベストとか、ポータブル電源などが壊れた場合も一緒です。万一の時に車の中で寝たら良いと思っても、車の中だって朝方には外気とほとんど変わらなくなりますからね。
実際に僕は、重ね着する以外にもブランケットや防寒着の予備をいつも車に積んで冬キャンプに臨んでいます。
よく『寒いのは何かを着れば何とかなるけど、暑いのは脱いでもどうしようもない』って言いますけど、着る物が無ければ冬の方がヤバイですよね。命に関わる問題です。
⑤『寝落ち』は命の危険
キャンプでよく寝落ちする人、お酒飲んで気付いたら泥酔してしまう人は要注意。
よく薪ストーブとかは一酸化炭素中毒注意!って言いますけど、それを知ってても気持ちよくなって消さずに寝落ちしたらどうなると思いますかね?考えただけでも怖いんですけど。
で、寝落ちすると一酸化炭素中毒だけじゃなくて、凍死の危険性もあります。
Twitterで『大晦日、隣のキャンパーが泥酔したまま寝落ちしてしまって、そのまま凍死してしまった。』と話題になったこともあります。
寒いと熱燗やお湯割り等、割と度の強いお酒飲みたくなりますけど、飲み過ぎは注意。
お酒飲んでも寝落ちだけは絶対しないように。
⑥寝袋の性能だけでは寒いかも
冬キャンプで一番力を入れたいのが睡眠環境だと考えています。
やっぱり寝る時に寒いのが一番苦痛だからです。
なので、基本的に寝袋は気温に合った性能の物を使うのが良いんですけど、『底冷え対策』を何もしないと良い寝袋を使っても寒くて眠れないと思います。
良い寝袋も底冷え対策なしでは寒いかも
寝袋の背中側は体重が掛かって綿が潰れるので地面の冷気が伝わりやすいと言われています。
僕はカリンシアD6っていう化繊最強じゃないかと言われてる寝袋を使っているんですが、実際に何の底冷え対策もせずに寝ると背中から冷気が伝わるのを感じます。
なので寝袋と同じくらい底冷え対策に力を入れた方が良いです。
具体的な底冷え対策については別の動画でも説明しているので、是非見てください。
⑦朝起きたら色々凍ってる
特に朝方は冷え込んで色んなものが凍りますが、は凍って欲しくない物もあるので、気を付けましょう。
ウォータージャグの水
朝に『コーヒー飲もう』『何か作ろう』と思ったら凍ってて使えないってことがあります。寒い中わざわざ炊事場に行くのはなかなか酷です。
冬は寒さに強いウォータージャグを使うとか、保温力が強いボトルに入れておく、とかすると良いかも。
僕は湯たんぽとしてナルゲンにお湯を入れて寝るので、朝はその水を使う。朝でも温いのでお湯を沸かすのも早い。
テントも凍る
物凄く冷え込むと雨や雪が降らなくても、結露したテントの水滴が凍ったり、霜が降りたりしてテントがパリパリに凍ります。
で、それが溶けるとテントがべちゃべちゃになるんですけど、山奥のキャンプ場とかだと日が当たるまで時間掛かって…テントを乾かせないまま撤収するパターンが多いです。
こんな時は大きなビニール袋にテントを丸めて突っ込んでおけば車内が濡れたり汚れたりせずに撤収出来ます。
車のバッテリー上がり
頻繁に起こるわけでは無いけど、冬は車のバッテリーが上がりやすい。
一度、河川敷でキャンプした時に帰ろうとしたらエンジンが掛からなくてめっちゃ困ったことがあった。
それ以降はジャンプスターターを車に常備するようにしてます。ロードサービス呼ぶより安いしモバイルバッテリーの予備にもなるので実用性が高いキャンプギア?だと思ってます。
道具だけでは痛い目にあう
冬キャンプの『落とし穴』ということで道具紹介というより初めてでは知る余地もないような環境の面の落とし穴にスポットを当ててみました。
道具だけの紹介に終始してしまいそうな冬キャンプ対策ですけど、気温も低く命の危険に繋がる場合もあるので、備えは万全に!楽しんでください!
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